食生活学PRESS+プラス(04)

日本ナットウキナーゼ協会

夏は熱中症だけでなく血栓症にも注意
日本ナットウキナーゼ協会:
新聞広告で水分補給と血栓予防を啓発

画像出典:日本ナットウキナーゼ協会

  日本ナットウキナーゼ協会(大阪市中央区)は、夏場に増加する血栓症への注意を呼び掛ける新聞広告を全国紙に掲載した。血栓症は冬に多いという印象を持つ人が多い一方、代表的な疾患である脳梗塞は夏季にも多く発症するとされる。めまいや頭痛、吐き気など初期症状が熱中症と似ていることから、自己判断せず早めに医療機関を受診することや、こまめな水分補給による予防の重要性を啓発している。

 同協会によると、血栓症は血管内にできた血栓が血流を妨げることで、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす要因となる。特に夏は発汗や飲酒などによる脱水で血液が濃くなりやすく、血栓形成のリスクが高まるとされる。気象庁の3カ月予報でも今夏は平年より気温が高くなる見込みであることから、熱中症対策とあわせて血栓予防への意識を高める必要性を訴えている。

 また、協会では納豆菌由来の機能性成分「ナットウキナーゼ」についても紹介している。ナットウキナーゼは納豆の発酵過程で生まれるたんぱく質分解酵素で、これまでの研究では末梢血流の改善や血圧が高めの人の血圧低下に関する報告のほか、糖化ストレスの軽減につながる可能性も示されている。ただし、これらは研究結果に基づく知見であり、効果には個人差がある。また、同協会が推奨する製品はビタミンK2を除去した原料を使用している点も特徴としている。

 健康食品市場ではさまざまなナットウキナーゼ製品が流通していることから、協会では安全性や品質を満たした製品を識別する認証制度「JNKAマーク」の普及にも取り組んでいる。夏場は熱中症対策だけでなく、脱水による血栓症のリスクにも目を向け、水分補給や生活習慣の見直しを含めた総合的な健康管理が重要となりそうだ。

千葉大学

和牛を「おいしい」と感じるほどリラックス
千葉大学:
和牛の味覚刺激と自律神経活動の関係を科学的に解明
画像出典:千葉大学

 千葉大学(千葉市稲毛区)の研究グループは、和牛(黒毛和種)の肉を食べた際の味覚と心理・生理反応の関係を調査し、「おいしい」と感じるほど生理的なリラックス状態が高まることを明らかにした。研究は千葉大学国際高等研究基幹・環境健康フィールド科学センターの池井晴美准教授と、姫路大学の平野秀樹教授(研究当時)らが実施したもので、成果は2026年7月1日に国際学術誌『Scientific Reports』へ掲載された。和牛の味覚刺激と自律神経活動の関係を科学的に示した研究はこれまでほとんどなく、食品のおいしさが心身へ与える影響を探る新たな知見として注目されている。

 研究では、20代の健康な大学生・大学院生49人を対象に、兵庫県産黒毛和種のヒレ肉(シャトーブリアン)と、大豆由来の代替肉を比較した。味付けを行わず、いずれも4gという同条件で試食した結果、和牛は代替肉よりも「おいしさ」や「リラックス感」が高く評価された。また、和牛をよりおいしいと感じた人ほど、リラックス時に優位となる副交感神経活動が高まり、反対にストレスや緊張時に優位となる交感神経活動が低下するという有意な相関が確認された。研究グループは、和牛を「おいしい」と感じることが、生理的なリラックス状態につながる可能性を示したとしている。

 今後は、実際の食卓での牛肉摂取を想定した条件で検証を進め、おいしさが心身へ及ぼす影響をさらに詳しく調査する予定である。また、今回の研究では反応に個人差が見られたことから、その要因についても解析を進める方針だ。味覚を栄養や嗜好だけでなく、心身の健康との関わりから捉える研究として、食品科学や食育分野への応用も期待される。

セブン‐イレブン・ジャパン

セブン‐イレブンと九州産業大学
包括連携協定を締結
微生物解析技術を活用し食品ロス削減と長鮮度化
食の安全向上を推進
画像出典:(株)セブン‐イレブン・ジャパン

セブン‐イレブン・ジャパン(東京都千代田区)と九州産業大学(福岡市東区)は、食品の安全性向上と食品ロス削減を目的とした包括的な連携協定を締結した。連携は「研究の発信」「研究の相互協力」「学生教育」「社会連携」の4つを柱に進められ、大学が持つ微生物解析技術を食品製造の現場へ生かすことで、商品の鮮度維持や衛生管理の高度化を目指す。

 取り組みの中核となるのは、九州産業大学生命科学部・中山素一教授が研究を進める微生物同定技術である。質量分析計「MALDI-TOF MS」を活用することで、これまで数週間を要していた菌の特定作業を数時間に短縮できるほか、検査コストも大幅に削減できる。食品工場内のどこに、どの菌が存在するかを迅速かつ高精度に把握できるため、衛生管理の効率化や品質向上につながる技術として注目されている。同教授は、この研究により内閣府の「第7回オープンイノベーション大賞」で農林水産大臣賞を受賞している。

 両者は協定締結に先立ち、この技術を活用した実証にも取り組んできた。2025年には『チルド弁当 味しみロースかつ丼』の製造工場で約5,000件に及ぶふき取り調査を実施し、菌の発生箇所を詳細に分析。その結果に基づいて衛生管理を見直したことで、商品の消費期限を1日延長することに成功した。鮮度保持と食品ロス削減を両立できる成果として、食品業界からも関心を集めている。

 今後は研究成果の社会発信に加え、学生向け講義や現場見学、地域イベントなども共同で実施する予定である。大学が持つ研究成果を企業の製造現場へ展開し、その成果を教育や地域社会へ還元することで、持続可能な食の未来づくりを目指す産学連携のモデルケースとして期待されている。