
2026年 新春号
竹内★ 2026年最初の食アド®︎トークです。今年もよろしくお願いいたします!
澤さん、今年はどんな年にしたいですか?
澤● 先生、こちらこそよろしくお願いいたします!
今年は年女なので、やったことないことにも全力でチャレンジし、いろいろ学ぶ1年にしたいと思っています。
竹内★ そうなんですね。でしたらいちばん聞きたかった話題から。
昨年末にテレビ番組の『遠くへ行きたい』でチャレンジされていた、新潟県村上市の伝統食・塩引き鮭のお話を聞きたいです。三面川(みおもてがわ)で鮭を釣るところからやられたんですね。
■伝統の塩引き鮭に込めた村上の人たちの思い
澤● そうなんです。釣る場所は抽選になっていて、私はすごくいい場所を引いたらしく、最初の30分で2回も当たりがあって、「さすが澤さん、持ってるね!」と言われたんです。が、2回とも途中で取り逃してしまいました。
悪天候の中3時間川に入ってがんばったのですが、釣り上げることはできませんでした。他の人たちもあまり釣れてなかった感じでしたね。でも、隣の群馬から来たおじさんが釣り上げた鮭を、「たぶんさっき逃げられたやつだから」と言って私にくれたんですよ。
竹内★ 村上では江戸時代から鮭を獲りすぎないよう保護したり、産卵しやすいように川の流れを改良工事したり、稚魚を放流したりと、資源管理に取り組んできた歴史があるんですよね。
澤● そうなんです。今もオスしか獲っちゃいけなくて、メスを釣ったらリリースするルールでした。
やさしいおじさんにいただいた鮭を、加工場で伝統的な塩引にする工程も体験しました。内臓を出すために腹を割くときも、「村上を救ってくれた鮭に切腹させてはならぬ」と、中ほどを少しくっつけたまま残して切って内臓を出すんです。
塩引きした後は5日ほどおいて、その後水で洗って、加工場の天井にぶら下げて3~4週間かけて寒風にさらし熟成させるそうです。
鮭の命を慈しみ、すべてをいただくんだという考えで、心臓とか、膵臓とか、肝臓とか、いろいろ食べさせてもらえました。内臓はあっさりさっぱりした味でしたね。


大量の塩を鮭に擦り込む塩引きを体験

加工場の天井に吊るされた鮭
■例年の10分の1以下の不漁の原因は?
竹内★ いい写真ですねえ。
その村上で、ここ数年は鮭の漁獲量が減って、今期は例年の10分の1以下だというニュースがありました。温暖化による海水温の上昇で、稚魚が川から海に出た段階で順応できないのではとか、餌が減って鮭が生息できる海域自体が減ってきているのではとか、研究者は推測しています。
澤● 2匹バラしちゃったにもかかわらず「持ってるね」と言われるくらい、1匹も釣れない日も珍しくないそうです。
そしてつい先日、自分が塩引きした大きな鮭が真空パックで送られてきました。ご飯が何倍でもいける美味しさで、おにぎりやお茶漬けも最高でした。リピートで注文したいくらいなのですが、大切な資源を食べすぎてはいけませんよね。

新潟から届いた、自分が塩引きした鮭。
竹内★ ところで鮭は「サケ」とも「シャケ」とも読みますが、その違いはなんでしょう? 実は農林水産省がちゃんと定義してあって、生の加工してないもの(生鮮)はサケ。塩引きなど加工したものはシャケなんですよ。そして英語ではサーモンと呼びますが、サーモンには鮭も鱒も含まれているんです。
好きな寿司ネタで鮭は人気が高く、特に子どもはいちばん人気だったりするのですが、回るお寿司ではない伝統的なお寿司屋さんに鮭は置いていませんよね。鮭が寿司ネタになり始めたのは1990年以降で、提案したのはサーモンの産地のノルウェー人なんです。
澤● 鮭だけじゃなく、山に入って鬼クルミなどを採ってきて、ヨーグルトやけんちん汁のようなものに加えて、知らなかった豊かな新潟の食文化を体験してきました。
■お正月は温泉と実家飯を堪能
澤● 先生、お正月はどう過ごされましたか? わが家は温泉ざんまいで、福島県の飯坂と磐梯山、2つの温泉をはしごしてきました。
竹内★ うちも毎年伊豆の温泉に行くのですが、残念ながら子どもたちは成人してから一緒には行きません。それにしても温泉ざんまいとは贅沢ですね。
澤● 磐梯山の宿では雪見風呂を堪能してきました。そうだ、飯坂温泉のご飯がすごかったんです。「百菜百味彩り膳」と言って福島の名物料理を少しずつたくさん出してくれるんです。山菜などは宿のご主人と女将さんが採りに行くみたいですよ。

雪見風呂も堪能

30品以上ある福島名物
竹内★ どれも美味しそうなものが30品以上ありますね。器も全部違うし、これは羨ましい。お子さんも食べられるのですか?
澤● なんでも食べますが、いちばん好きな野菜は何?って聞いたら、ピーマンと言ってました。パプリカはあまり人気なかったのですが、赤ピーマンだよ、黄色ピーマンだよって出すと喜んで食べるようになりました。
ピーマンは安上がりでいいのですが、お寿司屋さんでは生牡蠣を何回もお代わりしていました。あと、レバーも大好きですね。
竹内★ レバーは嫌いな女性が多いのに、良いことですね。特に豚のレバーは鉄分が豊富でおすすめです。女性は男性の2、3倍食べてもいいくらいなんですよ。
澤● 女性アスリートは検査で貧血を指摘される人が多いのですが、私は一度もありませんでした。焼き鳥のレバーが大好きなせいかもしれません。
正月は実家にも寄りました。父がおいしいモツ鍋を作ってくれて、娘は、庭のみかんや柚子をとって食べていました。父に言わせると今年は甘みが少ないそうですが、美味しそうでしたね。
そういえば、父の庭で採れたブロッコリーとカリフラワーが大きくて、思わず写真を撮っちゃいましたよ。

おじいちゃんが育てた野菜や果物は娘さんも大好き。
竹内★ へえー! お子さんの頭くらいありますね。私はカリフラワーが大好きなんですが、カリフラワーはブロッコリーが突然変異してできたものなんですよ。ちなみに、ブロッコリーが日本に入ってきたのは明治初期で、当時は観賞用の植物でした。1980年頃からだんだん食べる人が増えて、とうとう今年の4月からは国の「指定野菜」に追加されるほど日常的に消費されるようになりました。指定は1974年のばれいしょ(じゃがいも)以来50年ぶりで、安定供給のために産地指定や補助金など国の支援が始まります。
澤● 今日は話が尽きませんね。恒例の夫飯もモツ鍋です。

竹内★ モツ鍋とかスープとかは煮込むのに時間かかるし、ある程度量を作らないと美味しくないから一般人にはハードルが高いですよ。お父さんは調理師だからともかく、裕章さんは素人なのにすごいね!
そういえば裕章さんが副社長を務めるJ3の福島ユナイテッドFCに、今年は三浦知良選手が加入することになりましたね。11月に食アド®︎トーク番外編を開催してくれた明治安田新宿支社でも、カズさんは企業イメージタレントですから、一緒に福島に応援に行きませんかとお誘いをいただいています。ご縁は本当に不思議ですね。行けたら、このコーナーの準レギュラーと言える裕章さんに、ぜひご挨拶できればと思っています。
澤● 昨年結婚以来初めて福島のゲームを観に行ったんですよ。カズさんが出るならまた今年も行こうかなと思っています。福島で会えたらご紹介しますのでぜひ!
(写真提供:澤 穂希)
