
2025年新春号
澤●先生、あけましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いいたします!!
竹内★どーもー。あけましておめでとうございまーす! こちらこそ本年もよろしくお願いいたします!!
さっそくですが、澤さんはどんな正月を過ごされましたか?
澤●お正月は東京の実家で、父や母の手料理を満喫してきました。父のラーメンは相変わらず何日も前から仕込んでスープをとったもので、私も娘もいつも楽しみにしています。実家の庭で育てている柚子のお風呂にも入ったし、柑橘を3種類もらってきましたよ。柚子と、普通のみかんと、さらに大きいのは、いよかんかな? オレンジかな?
自分で七草粥もつくりました。おもちを入れたかったのですが、前の日に全部食べちゃって入れられなかったのが失敗です(笑)
地方の食文化の美味しさと面白さに興味津々
竹内★お話に出た普通のみかんのことを温州(うんしゅう)みかんといいますよね。温州ってなにかご存知ですか?
澤●中国の地名ですよね。
竹内★そうです! 有名な果物の産地なんです。でも温州みかんの発祥は日本の鹿児島県で、名付けたのは日本人なんですよ。中国の代表的産地にあやかって、売れますようにという願いを込めて名付けられたそうです。海外では「薩摩オレンジ」や「薩摩マンダリン」と呼ばれています。
澤●そうなんですね。私は最近地方を訪ねる仕事も増えていて、その土地土地の食文化に触れられるのが楽しいです。松山空港で水道から美味しいみかんジュースが出たり、おでんの種のちくわぶは関東近県にしかないとか、お雑煮のお餅が角餅か丸餅かは関ヶ原を境に、東が角、西が丸と分かれるとか、最近知りました。
竹内★天下分け目の関ヶ原が境界になっている食文化は他にもけっこうありますよ。うどんのつゆ(東はカツオ出汁で濃口、西は昆布出汁で薄口)、稲荷寿司(東は俵形、西は三角形)、カレーの肉(東は豚肉、西は牛肉)などです。うどんのつゆはカップ麺でさえ関ヶ原の東西で味を変えているそうです。
澤さんはほんと勉強家だなーと、いつも感心しています。地方の食文化体験はぜひ写真に記録して、食アド®トークファンに教えてくださいよ。
今年新たにやりたいと思っていることはありますか?
澤●そろそろまた資格に挑戦しようかなと思っています。私はずっとサッカーだけをやってきて、他のことを知らなすぎて、失敗したこともままあります。特に子どもができてからはどうやって子育てすればいいのか、いろんな人に教えていただいてますし、勉強しなくてはいけないことがまだまだあると感じています。
竹内★そうそう、生涯学習って言って、生活の変化を見越してポイントごとに学び直すことが大事ですよね。ちなみに、食アド®も2026年11月から新たに1級の検定を始めることにしました。2級取得者でさらに「食生活学」を追求したい方におすすめです。
この時期は大寒と呼ばれる一年で最も寒い季節で、鍋などを食べたくなりますが、澤さんは何鍋がお好きですか?
澤●鍋を気軽に楽しむにはいま野菜が高いですよねー。今年はまだ鍋はやってないかも。いちばん好きなのはキムチ鍋ですね。本場韓国の添加物が入っていない手作りキムチをいただくことがあります。日本のものより酸味が強くて匂いも少しきつめですけど、美味しいんです。
竹内★キムチは発酵食品で体に良いし、何より温まりますよね。じつは韓国の若者の中には匂いが着くのを嫌がってキムチを食べない人も増えているそうなんです。また、意外ですが、4歳まではキムチを食べさせないことが常識になっているんです。
日本で本場韓国の美味しいキムチを見つける目安として、「キムチくんマーク」(韓国の伝統製法による発酵キムチの証明)があります。探してみてくださいね。

父娘が買い物で、食品添加物について会話
澤●娘の誕生日に夫が手料理を振る舞ってくれたんです。夫の料理は娘も大好きで、今回は材料の買い物もいっしょに行ったんですよ。そうしたら、ベーコンを買うときに「(娘)厚いのより薄いほうが添加物が少なくてカラダにいいよ」「(夫)たまにだから影響ないんじゃない。厚いほうが美味しいよ」とか話してるんですよ。
竹内★7歳で、父娘で、そんな会話ができるなんて素晴らしい! 澤さんが普段からそういったことを気にして話されているので、自然と頭に入っているんでしょうね。



上から、ミネストローネスープ、牡蠣グラタン、鯛のカルパッチョ
澤●こちらは学校が2学期制なので、秋休みに入る前に親が面談に行って、生徒が育てた鉢などを持って帰るんですよ。それぞれが好きなものを育てるという課題で、うちの娘は「トマトがいま高いから」といって、トマトを栽培してくれたんですね(笑)。いっしょに私が持ち帰りました。
不思議なんですけど、娘はピーマンは好きなのにパプリカがダメだったんですよ。私たちには味の違いがわからないので、ある日、赤いパプリカを「赤ピーマンだよ」って出したらちゃんと食べれました。なにか心理的なものがあったようで、パプリカだよって言ったら「なんだ美味しいじゃん」て。
竹内★いい食育をされてますねー。そのパプリカですが、地元の宮城県が生産量日本一なのはご存知でしたか?
澤●そういえば聞いたことあります! 少し高いですけどね、美味しいんです。
冬の旬、味わってますよ!
竹内★もうひとつ、セリも生産量日本一なんです。
澤●それは知りませんでした。そういえば夫がセリ鍋をよくつくってくれるんですよ。昆布で出汁をとって、ポン酢も徳島の方にいただいたすだちを自分で絞ってつくっています。七味も買ってきたそのままじゃなくて、自分でアレンジする凝りようです。
それと先日、娘が学校から泥のついた蕪を持って帰ってきたので、味噌汁にして食べました。
今日は、白子を買ってあって、もみじおろしとポン酢で食べるか、溶いて食べるのも美味しいし、天ぷらも美味しい、何にしようか迷っています。
竹内★セリも蕪も白子も冬が旬ですよね!
それにしても、澤さんの周りの男性は、お父さんといい旦那さんといい、ほんとに料理が得意ですよね。
澤●だから困っちゃう! じゃなくて助かってます!

「白子を湯通しして、ポン酢に紅葉おろしにネギを乗せていただきました」とのこと
(写真提供:澤穂希)