2024年10月号

こんにちは! 本来なら今日は秋の旬を語る食アド®︎トークなのですが、まだまだ暑い日が続いているので、夏の振り返りから始めてもよろしいでしょうか、竹内先生。

竹内 こんにちは! いいですよー!! 東京でも観測史上最も遅い猛暑日などというとんでもない残暑が続いてます。夏のクールダウンの話や、季節の食材も変わってきているのではというような話も少しできればと思います。

宮古島の海の美しさと魚の大きさにビックリ!

お許しをいただきました。実は私、宮古島から帰ってきたばかりなんです。台風が沖縄本島の近くを通過中だったのですが、私、晴れ女なんですよ。宮古は天気が良く、海が驚くほどきれいで、今まで見た日本の海でいちばん美しいと感じました。もう一つ驚いたのが、友人と行ったお店で出してくれた揚げた魚の大きいこと。カワハギの仲間らしいのですが、大皿からはみ出さんばかりで思わず撮った写真です。

竹内 いっしょに乗っている緑のはシークヮーサーでしょうね。シークヮーサーは沖縄の方言で「酢を食わせる」という意味で、暑さが残る季節にもカラダに良さそうなネーミングですね。

シークヮーサーとオクラもいただいたのですが、オクラも大きいんですよ。 

竹内他にはどんな食材を食べられましたか?

現地ならではのものをけっこういただきました。海ぶどう、キムチが入ったモズク、サーターアンダーギー、ゴーヤチャンプルー。それと宮古そば。私は温かいほうに島唐辛子をかけて食べました。もちろんオリオンビールも(笑)

平野レミさんから教わったレシピでクールダウン

竹内 そういえば少し前ですが、ご自身でつくられたサラダの写真を送ってくださいましたよね。

はい。これは平野レミさんの番組出演の際に教えていただいて実際につくった豚しゃぶサラダです。写真では下に隠れていて見えていませんが、オクラ、サニーレタス、キュウリ、ミニトマト、私は大好きだけど先生は苦手なパクチーも入れてます!

竹内 パクチーですねー。とっても美味しそうですよ(笑)。夏のカラダのダメージをクールダウンするのにもってこいのレシピで、言うことありません!

夏がこれほどまで暑くて長期間だと、先生が先ほどおっしゃっていましたが、旬の食材にどのような影響や変化が出ているのでしょうか。

竹内 海の食材で言うと、サンマやイワシが不漁で高級魚のような値段で並んだり、北海道ではシャケが川を上ってこなくなり、逆にブリが豊漁になったりしています。海水温の上昇や海流の蛇行による漁場の変化、外国との資源の取り合いなど、さまざまな原因があるとされています。食文化というのは「身土不二」と言われるように、その地域ごとに長い年月をかけて醸成されたものですから、ずっとシャケを食べてきた北海道の人が「代わりにブリを食べればいいじゃない」と言われても戸惑っちゃいますよね。

 陸の農産物も影響を強く受けています。美味しいお米の代名詞だったコシヒカリですが、最近はあまり評価が高くありません。他のブランド米が増えたこともありますが、実はコシヒカリは暑さに弱い品種なのです。ですから新潟の米はいま、コシヒカリから新之助にどんどん代わっています。

そうなんですね。私はシャインマスカットが大好きなのですが、最近出てきたクイーンルージュという赤いブドウも気になっています。シャインマスカットをもとに長野県で品種改良されたとか。

竹内 シャインマスカットは意外にも日本の広島県で生み出された品種なんです。大粒で種がなく皮ごと食べられて、しかも爽やかで甘いことから、高価格ですが人気があります。実は土地や気候に合わせて年々品種改良されていて、地域によって旬も違うんですよ。収穫量は長野県がトップで、クイーンルージュはその長野県の果樹試験場が開発し、2021年に初出荷されたニューフェイスです。マスカットの爽やかさを残しつつ、糖度はシャインマスカットを上回るように品種改良されたそうです。私の予想ですが、巨峰がシャインマスカットにほぼ置き換わったように、近い将来、クイーンルージュが大躍進してトップになるでしょう。

秋の味覚の話をするとお腹が空いてくる

ブドウの話で少しは秋らしくなってきましたでしょうか。

竹内今日は彼岸の入りです。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉を信じて、最後は秋の食材で盛り上げましょう! 以前「春の皿には苦味を皿に盛れ」という格言の話をしましたが、秋は「甘味を盛れ」なんです。果糖をふくめて糖質をたくさん摂って夏のクールダウンをしつつ、冬に向かってエネルギーを蓄えなさいということなんですよ。

 あるアンケート調査ですが、秋の味覚の一番人気はなんだったと思いますか?

うーん、さっき出たサンマ? ブドウ? サツマイモ? キノコ類? あ、マツタケでしょ!(笑)

竹内 正解は違いますが、さすが世界一の澤さんですね。マツタケは確かにお値段ナンバーワンの秋の味覚です。正解はクリで、一般の方の25%が一番に選んだそうです。和菓子、洋菓子ともにクリの入ったものが人気で、最近はサツマイモも甘みを増した品種がいろいろ開発されて、秋の甘味の代表格になってきています。このアンケートでは食に詳しい人は意外と正解が少なかったそうなので、落ち込まなくて大丈夫ですよ。

マツタケはともかく、キノコ大好きで、今日もキノコ汁をつくろうと思っていたんですよ。エノキ、シイタケ、シメジ、ヒラタケ……みんな入れて味噌汁にしたり、ムニエルの下に敷き詰めたりして食べています。

竹内 いいですねえ! ビタミンDはなかなか摂れる食べ物が少なく、キノコが絶対王者なんですよ。

芋煮会にも誘われて、そそられます。地域によってスタイルが違うそうですね。

竹内仙台風は豚肉で味噌仕立て、山形風は牛肉で醤油仕立て、山形でも庄内地方は仙台風と同じく豚肉味噌仕立てなんです。そうしたスタイルの違いも食文化ですから、なぜそうなったか聞きながら味わうのも食アド®︎的楽しみ方かもしれませんよ。芋煮はカラダが温まりますし、エネルギーを蓄えて冬を乗り切ろうという意味もあります。とても良い旬の風物詩ですね。

冬に向かってと言えば、カキの季節ですね。読みは同じですが、柿も牡蠣もどちらも大好きなんです。そういえば1月と4月のトークでもあんぽ柿の話をしましたね(笑)。

 それと、私は普段揚げ物は摂らないのですが、母親がつくる牡蠣の春巻きがとっても好きで、それだけは5本くらいペロッと食べられちゃうんです。牡蠣をめんつゆか何かで茹でて、ショウガとネギを刻んで、チーズも入れて、包んで揚げる。醤油に豆板醤やラー油を混ぜた特製のタレにつけて食べるんです。

竹内聞いてるだけで、うまそう!! 次にお母さんがいらしたらぜひつくってもらって、食アド®︎トークに写真をご提供くださいよ。

そうしましょう! 美味しいものの話をしてたら、すごくお腹が空いてきましたね。これから夕食の買い物いってきま〜す!

竹内いってらっしゃ~い!

(写真提供:澤穂希)